院内でできる検査

小児科は、圧倒的に感染症が多いため、原因となる病原体をなるべく突き止めようと考えています。
当院でできる検査は以下のものがあります。
細菌・ウイルス抗原検査 A群β溶血性連鎖球菌、肺炎マイコプラズマ、RSウイルス、ヒトメタニューモウイルス、インフルエンザウイルス、アデノウイルス、便ロタウイルス、便アデノウイルス、便ノロウイルス
血液検査 血液学的検査、CRP、血糖
尿検査 尿一般検査
蟯虫検査
単純X線検査
超音波検査
安静時心電図検査
その他の検査は外注検査になります。

病診連携・診診連携

入院が必要であったり、高度な検査・治療が必要と考えらたり、小児科では扱わない疾患や、小児科でも専門分野の知識が必要な疾患(循環器など)の場合は、高次医療機関や他の専門科に紹介もしています。
各病院・診療所それぞれに特色があり、「この病気はこの病院のこの先生が得意だな」「患者さんの家からだとこちらが近いな」「患者さんはこの病院を希望されているな」「この時間帯はこの病院は受け付けてくれないな」等いろいろ考えて、その時点で、患者さんにとって最適な病院を紹介するよう心がけています。

下記に紹介実績のある病院を記載していますが、眼科、耳鼻咽喉科、皮膚科、整形外科、内科(親御さんの相談を受けたときなど)、ときには他の小児科、など、近隣の診療所にも数多くお世話になっております。
過去に紹介実績のある病院 医仁会武田総合病院
国立病院機構京都医療センター
京都第一赤十字病院
宇治徳洲会病院
洛和会音羽病院
その他 京都第二赤十字病院
京都大学医学部付属病院
京都府立医科大学
大阪市立大学医学部付属病院
大阪市立総合医療センターなど

夜尿症・発育外来

月曜日の午後に、夜尿症(おねしょ)・発育に関する相談を受け付けています。
初診時は詳しくお話を伺うのに30分程度かかってしまうので、一般の診療時間だと、他の多くの患者さんを待たせてしまうことになるため、初診時だけ別枠にしていただいています。

月曜日だと1~3か月の待ちになることもあり、また小学生などで月曜日に来られない場合、土曜日の午前診終了後に1~2名程度対応するようにしています(インフルエンザワクチンのシーズンの2か月は中断しています)。
ただし、午前中の全ての診察の終了後になりますので、待ち時間がでることはご了承ください。

とくに相談が多いのは、夜尿症と低身長です。
夜尿症の7歳~15歳代の頻度は8%(100人に8人)、低身長の頻度は2.3%(100人に2~3人)なので、当然相談を希望される方は多くなります。

一方、夜尿症はほぼ全例が治療対象になりますが、低身長は、例えば成長ホルモン分泌不全症は4000人に1人の頻度なので、低身長(50人に1人)の人を80人検査してようやく1人見つかる程度です。
つまり、多くは正常で治療対象にならないことの方がはるかに多いです。そのため、定期通院される方は夜尿症が圧倒的に多くなります。

夜尿症では、過去10年間で500名以上(もっと多いと思います。途中で数えるのを止めてしまいました)の患者さんの治療に当たりました。
主にガイドラインに基づいて治療していますが、経験が積み重なるにつれ、より効果的な指導・治療ができるように工夫しています。
多くの患者さんは有効な治療ができていますが、一部の患者さんは、なかなか改善せず苦戦することもございます。

一般診療所の場合、低身長症で対応が可能な疾患は、成長ホルモン分泌不全性低身長症、SGA性低身長症などで、下垂体機能低下症、ターナー症候群、軟骨形成不全症、慢性腎不全などの疾患が疑われる場合は、検査・治療など、一般診療所の診療体制でできることは限られているため、内分泌の専門家がいる病院に紹介することになります。
内分泌の専門家がいないと、例えば「この部分は管理しますが、あとは他の病院で」となってしまうこともあり、できるだけワンストップで済むように考慮します。

多くの患者さんは、いきなり大きな病院にかかることに抵抗を感じていると思います。
相談をしやすい「町医者」をうまく利用していただければと思います。

予防接種

当院では、開院してから、一貫して予防接種に取り組んで参りました。
2009年の開業当初はきちんと接種できていた定期接種ワクチンは、三種混合ワクチンとMRワクチンだけでした(日本脳炎も可能でしたが、実質接種する人がいませんでした。またBCGとポリオは保健センターでの集団接種でした)。
しかし、2020年10月現在、10種類のワクチンが定期接種となっています。
予防接種をとりまく状況は毎年のように劇的に変わり、一歩ずつですが、いい方向に向かっていると思います。

どんな病気でもそうですが、なってしまってから治療するより、ならないように予防した方が、身体的にも経済的にも負担が少なく済みます。
かかってからでは、ときには取り返しがつかないこともあります(とりかえしがつかないからこそ、予防接種対象となっているのです)。

当院では、毎週月曜日・金曜日・日曜日の午後に予防接種外来を設けています。
この時間帯はかぜの患者さんが原則いないのでとくに赤ちゃんの場合はお勧めです(予防接種に来られた患者さんが体温を測ると発熱していたということはありますが、すぐに別室に隔離させてもらっています)。

ただ、御両親が共働きであったり、お子さんの学校があったりして、予防接種の時間帯に受診できない場合は、平日の夜診や土日などの一般外来の時間帯でも対応しています。
この場合、かぜ患者さんとなるべく一緒にしないよう別の部屋で待機していただくようにしています。

当院は、京都市および宇治市の予防接種協力医療機関ですので、京都市・宇治市に住民票のある方は、定期接種対象ワクチンは公費での予防接種が受けられます。接種対象年齢があり、外れると接種できないので注意してください。
また、京都府広域予防接種の協力機関でもあり、この制度に参加している京都府下の他の自治体の住民の方は、当院でも接種できます(ただしその地域の問診票など事前に準備していただくことがございます)。
里帰り出産などで他府県の方が京都市に滞在しているときにワクチンを接種する場合は、住民票のある市町村から京都市長あてに依頼書を発行してもらえれば、いったん全額自己負担になりますが、後日払い戻しを受けられます。

予防接種については、下記ボタンより「予防接種について詳しく」に詳細が記載してあります。
とくに、「予防接種の対象となる病気の特徴」は、小児科で最も有名な教科書であるNelson textbook of pediatrics(ネルソン小児科学)を翻訳し(A4用紙だと、1つの疾患で30~50ページになります)、それを要約したものに、さらに色々調べたものを加えています。