子どもの成長障害
こどもが大人と大きく異なることの1つに「成長する」ということがあげられます。それがうまくいかない場合、何らかの生活習慣の問題や大きな病気が隠れていることがあります。
そのため成長の問題を放置すると、病気の原因によっては、生命に関わったり、後遺症が残ったり、健康上の問題が残ったり、背が低いことによる心理的問題など、その後の生活に大きな問題が残ることもあります。
どういった時に受診すればいいの?
まずは下図のように成長曲線(発育曲線)をつけてみましょう。成長曲線は、母子手帳にもありますし、クリニックにもありますので、気軽にお申しつけ下さい。<図1>成長曲線でみる受診が必要な成長パターン


そして下記のような場合は、医療機関に相談する必要があります。
低身長の原因にはどんなものがあるの?
低身長をきたす疾患
- 家族性低身長
家族の多くが背が低く、とくに病気が見つからないもの。低身長の原因としてもっとも多いです。 - 体質性低身長
SGA性低身長:生まれたときより体格が小さく、おいつかない。
体質性成長・思春期遅延:同年齢の他のお子さんより体の成熟が遅いが、最終的には正常範囲においつく。 - 生まれつきの病気による低身長
ターナー症候群、軟骨無形成症、ラッセル・シルバー症候群
ほか多数あります。 - 内分泌性低身長
成長ホルモン分泌不全性低身長症、甲状腺機能低下症、副腎皮質過形成症ほか - 長びく病気による低身長
慢性腎不全、アトピー性皮膚炎(厳しすぎる食事制限など)、気管支喘息(重症で治療がなかなか有効とならない場合)、心疾患(心不全をきたしているなど)、消化器疾患(栄養が長期にわたり吸収されない状態が続く、下痢が続くなど)
愛情遮断症候群・被虐待児症候群ほか
まず、はじめに強調しておきたいことは、背が低いからといって、必ず病気というわけではない、ということです。
低身長は、母集団の-2SD(Standard Deviation 標準偏差)として定義されており、分かりやすくいうと、統計的に100人のお子さんがいた場合、前からおよそ2~3人までを低身長とする、ということです。
この中で、本当に病気がみつかることは、さらに少なく、たとえば、成長ホルモン分泌不全症は4000人に1人なので、低身長で受診されたお子さんを80人調べてようやく1人見つかる程度です。
多くがいわゆる正常変異(正常の中での個人差程度のもの)であり、相談される方で最も多いものは、家族性低身長症と体質性成長思春期遅延であります。
また、治療が可能な低身長をきたす疾患のうち、一般診療所で対応ができるものは、脳腫瘍などの病気によらない成長ホルモン分泌不全性低身長症、SGA性低身長症であり、それ以外の病気が原因の場合は、内分泌専門医のいる大学病院や総合病院に紹介するようにしています。
家族性低身長症と体質性低身長症は、どちらも正常変異(正常範囲内でのばらつき)と考えられるものです。
低身長は、母集団の-2SD(Standard Deviation 標準偏差)として定義されており、分かりやすくいうと、統計的に100人のお子さんがいた場合、前からおよそ2~3人までを低身長とする、ということです。
この中で、本当に病気がみつかることは、さらに少なく、たとえば、成長ホルモン分泌不全症は4000人に1人なので、低身長で受診されたお子さんを80人調べてようやく1人見つかる程度です。
多くがいわゆる正常変異(正常の中での個人差程度のもの)であり、相談される方で最も多いものは、家族性低身長症と体質性成長思春期遅延であります。
また、治療が可能な低身長をきたす疾患のうち、一般診療所で対応ができるものは、脳腫瘍などの病気によらない成長ホルモン分泌不全性低身長症、SGA性低身長症であり、それ以外の病気が原因の場合は、内分泌専門医のいる大学病院や総合病院に紹介するようにしています。
家族性低身長症と体質性低身長症は、どちらも正常変異(正常範囲内でのばらつき)と考えられるものです。
発育外来では何をしているの?
低身長を訴えて来院された場合、詳しい問診と診察を行い、必要に応じ、採血検査や手の骨のレントゲン検査などで、発育状態をチェックするとともに、何か病気が隠れていないかを調べます。さらに、詳しい検査が必要と判断された場合、必要に応じ、染色体検査や内分泌負荷試験等の検査を行います。また、一般のクリニックではできない遺伝子検査や脳のMRI検査などの検査をする必要であると判断された場合は、専門の医療機関と連携して検査をしてもらうこともあります。
低身長症の治療はどうするの?
何か原因となる病気が明らかになった場合は、その病気に応じた治療を行うことで、身長の伸びが回復することもあります。成長ホルモン治療が可能なのは、成長ホルモン分泌不全性低身長症や、SGA性低身長症、ターナー症候群、ヌーナン症候群、慢性腎不全、軟骨無形成症、などの病気ですが、ただ成長ホルモンを投与すればよいのではなく、それぞれの病気に応じた専門的な健康管理が必要となります。
器質性疾患のない成長ホルモン分泌不全性低身長症、SGA性低身長症、特発性中枢性思春期早発症などは当院でも対応が可能です。それ以外の疾患は内分泌専門医がいる高次医療機関に紹介するようにしています。